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夏草や兵どもが夢の跡

今日は、才教学園の環境整備の日。今年も、同校内田校舎の清掃に参加しました。内田校舎は、才教学園の原点ともいえる建学の地。牛伏寺のふもとの林の中にあり、ここ10年間ずっと寿台太鼓連の稽古場としてお借りしています。

梅雨空の下、若いお父さん方が草刈り機を携えて集まりました。運動場の草を刈り切れなかったという昨年の反省を踏まえて、前保護者会長氏が搭乗タイプの草刈り機を購入して登場。新兵器は、期待どおりの威力を発揮し、運動場は1時間ほどでサッパリとしました。

「夏草や兵どもが夢の跡」は、松尾芭蕉の代表的な句です。奥の細道を辿る芭蕉がこの句を詠んだ高台は、城跡だったようです。才教学園は立派な村井校舎を得て輝かしい進化・発展を続けていますが、内田校舎に茂る夏草を片付けながら、私はふと、この地に学校を設立した先生方の志とご労苦に思いを馳せていました。講堂がないため、厳寒期も校庭で朝礼を行っていたと聞きます。そうした「学びの環境」を承知の上で入学を切望した親と子は、何に期待を寄せたのでしょうか。建学の精神とは、厳しさの中に存在するような気がします。

私は時々、現代の子どもたちに人生の厳しさを上手に教えることの難しさについて考えます。便利になり過ぎた生活の中で、「生きる力」を育む場面はあまりにも少ないです。家庭においては、孫たちを甘やかし過ぎることなく、如何にして「背水の陣」を敷いて本人に考えさせるか――祖母である私に課された命題かもしれません。

作業が終わる頃にぽつぽつと降り始めた雨は、午後になって本格的な大雨となりました。我が家の庭先では、ホタルブクロが雨に打たれながら咲いています。

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