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梅雨の晴れ間に

庭の梅の実を採りました。松本市寿台に家を購入した時に、「鑑賞用に」と父が植えてくれた梅の木です。梅干しを作るので、少し黄色味がかるまで待っていましたが、明後日から視察に出なければならないため、本日決行となりました。梅雨の晴れ間の日曜日には、梅を収穫し、サツキを刈り込むなどして、父母が気忙しく立ち働いていたことを思い出します。亡き父は「蓮花」という雅号で俳句も作っておりました。父が古希の記念に上梓した句文集「穂高連峰」より、一句をご紹介いたします。

実梅つぶら昨日も今日も雨したたり           宮坂高連

我が家では、娘が保存食作りに精を出しています。今年は、梅酒を焼酎ベースと日本酒ベースで、合わせて6升ほど仕込んだようです。私の母の「傘寿の記念樹」として植えた琥珀色の梅が、ようやく10粒ほど実をつけるようになり、ブランデーのような梅酒も試作。他に、弁当用の小梅漬、酢漬、お茶うけ用の甘いパリパリ漬を漬けた後、最終章として梅干しを作ります。この梅仕事が終わると、本格的な夏がやってきます。

 

梅を採りながら、娘は大きな鍋で「きゃらぶき」も煮ています。私の安曇野の家には梅林があり、梅の木の下には秋田蕗と里蕗・山蕗が群生しています。田植えの頃から煮物として重宝、酢漬を作り、きゃらぶきを煮て冷凍保存。一年中の食卓で味わい、楽しむのです。すべて亡き父母が遺してくれたもの、「真に豊かな暮らし」とは、こうした生活ではないかと思っています。

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