経済地域委員会の政策提言「スマート農林業の推進」に関して、全議員による政策討論会( 2回目)が開催され、高い評価を得ました。
スマート農林業とは、情報技術(ICT)、ロボット技術、人工知能(AI)等の先端技術を活用する農林業をいいます。農林業分野における就業人口の減少と高齢化には歯止めがかからず、労働生産性や労働安全性の向上は急務です。こうした状況の画期的な打開策として、私はかねてからスマート農林業に注目してまいりました。議員 1期目の平成29年度、経済地域委員会の副委員長を務めた際に調査研究を試みましたが、時期尚早ゆえに断念。議員 2期目の令和元年度、経済地域委員長 1年目には、「鳥獣被害対策におけるICTの活用例」を求めて、富士通株式会社北九州支社まで視察に出かけたりもいたしました。コロナ禍を受けて市議会の人事更新が見送られた今年度は、経済地域委員長 2年目。視察もできない状況でしたが、「この災いを福に転じられないものか。北九州でもらったICTの種を育ててみよう」と思い立ったのです。視察の代わりにオンラインを駆使。こうした場面でも、この数年間にICT技術がめざましい進展を遂げたことを実感いたしました。
経済地域委員会の政策提言は、「松本市農林業振興条例の改正」と、具体的な推進施策を市長に提案する「政策提言書」の 二本立てです。「松本市農林業振興条例の改正」は、松本市の農林業が持つ多様性やスマート農林業自体の課題を十分に踏まえて、行政が政策的・主導的にスマート農林業を推進していくことが重要であるといった内容。「政策提言書」の 具体的な推進施策とは、①シンポジウム等の開催によるスマート農林業の普及促進、②補助金等の創出による農林業従事者への適切な財政支援、③スマート農林業を活用できる人材育成や相談支援体制の整備及び専門性を備えた職員の配置、④国・県の財源を活用した実証フィールドの構築、⑤森林環境譲与税の活用による官民共通GISの構築と新たな森林管理経営制度への活用、の 5項目です。