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増え続ける空き家

挨拶回りをする中で、空き家の増加を肌で感じます。
松本市は空き家数を2,839戸と発表していますが、これは住宅地図を用いて町会が確認した数で、例えば「年に数回、息子さんが訪れて草刈りをしている」というような潜在的空き家の数は反映されていないようです。
上下水道局に確認したところ、令和になって上水道の閉栓は約20,000件を超えているとのことでした。先ずは、実態に合った数をきちんと把握し、公表し、危機感を共有すべきではないでしょうか。
戦後の「産めよ、育てよ、家建てよ」政策。現在の社会は人口減という真逆の方向に向かっている状況下で、明らかに制度疲労が起きているのに、人口が増え続けている時代と同じことが依然として続いているように思われます。
日本で唯一の不動産学部をもつ明海大学の中城康彦教授は、「戦後の高度成長と持ち家政策を背景に、新築にのめり込んだ結果が、空き家の急増という行き詰まりを招いた」と指摘。家をつなぎ、再び回すためにも「百年の計を語る政治家が現れてほしい」と期待します。
住宅政策は、移住・定住、規制緩和、福祉や地域づくり、観光や産業の振興など、実に様々な問題が絡み合う難題ですが、それだけに、政治家側からみると政策づくりの醍醐味が味わえる課題ではないかと思います。

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