共演ステージを組んでいるホワイト徳嵩さん(寿台在住のサックス奏者)を通じて、寿台太鼓連宛に、今井地区の續麻(そうま)神社・兼平神社から例大祭・宵祭りの演奏依頼がありました。
同神社は、木曽義仲の乳母子である今井四郎兼平を祀った社です。兼平は、木曽から北方の地に進出、信濃国筑摩郡(現在の松本市)今井の地を領有し、今井四郎と呼ばれたそうです。義仲に伴って佐久地方に拠点を移したことから、佐久市今井には兼平が居住した今井城址があります。また、横田河原の戦いで平家方の城長茂軍に勝利し、拝領した長野市川中島今井にも今井神社が祀られ、道路を隔てた一角に兼平の墓所があるとのことです。我が家の菩提寺は長野市川中島の讃楽寺ですので、次の墓参の際には、兼平の墓所も訪ねてみようと思います。
さて、續麻神社・兼平神社例大祭は、地区の歴史を感じさせる格調高い祭りで、漆黒の暗闇の中に豪華絢爛な提灯が数多輝く宵祭りは、時代絵巻のように荘厳な美しさです。おごそかな神事が終了した後、いよいよ私たちの奉納演奏。恐れ多いことながら、今夜の特設ステージは由緒ある神楽殿です。
住民の方々が熱心に演奏に聞き入ってくださって、張り合いのある楽しいステージが進行しました。ビニールシートを敷いて、酌み交わしながら楽しんでいるグループもあります。ステージで花束を受けたり、お花代(紙幣です)を頂戴したりして、すっかり恐縮いたしました。
今井地区には3つの神社があって、いずれも同じ今週末に祭典が行われているとか。私はこれまで、今井地区は大農業地域で、その昔は水路がなくて苦労されたというイメージを抱いてきました。こうして例大祭を通じて関わった皆様方の、歴史や伝統を守ろうとしている姿勢からは、地区のプライドを感じます。古き良きもの、守るべきものがあることは、新興住宅地区に暮らす者からみれば羨ましいです。
それにつけても、地域とは、それぞれ随分と異なるものだとつくづく感じます。「地域づくり」と一口にいいますが、地域は金太郎飴を切ったような状態にはなく、地域づくりのかたちもまた、それぞれに異なるということに他なりません。地域づくりとは、地域を肯定するでも否定するでもなく、客観的に見つめることから始まるのかもしれないと思いました。
例大祭の役員諸氏からのリクエストにより、ホワイト徳嵩さんとともに「♪ミッキーマウスマーチ」を演奏しました。子どもさんたちが手拍子を打ちながら楽しそうに踊るのを見て、手作りのミッキー装飾をつけた私たちも笑いながら和太鼓を打ち鳴らし、秋の夜は更けていきました。